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パワーストーンブレスレットを発案し、世に送り出して28年になる。

 28年前、バイト生活で何とかやっていた時、メッセージが降りてきた、「お前は石屋をやりなさい。」と。その頃の石屋は東京でも数件程で、原石を少し加工した様なものしかなかったので、石に興味が無かった僕は咄嗟に、石屋?墓石か?と思ったが、直ぐにビジョンで、白い皿に乗せられた綺麗な石達を観せられた。

 綺麗だなぁと思っていたが、商売をやったことがない僕は直ぐに、「商売をやったことがないです。」と返事した、すると「大丈夫」と聞こえた。お金が無いです(その時貯金は5万円)。「大丈夫」、「仕入れが分かりません。」「大丈夫」僕は少し考えたが、「分かりました、やります。」と答えた。すると「中目黒でやりなさい。」と、「店の名前は何ですか?」「ナ・ムーだ、ナムでは無いぞ。」と言われた。

 その後直ぐに中目黒の不動産屋に飛び込んだ、すると「たった今商店街に店舗を持ってる大家さんが来て、テナントが空いたからお願いされたんです。」と、僕が「お金が無いんです。」と告げると「家賃は3分の1で良いです、それと礼金は要りません、仲介手数料は半分で良いです、敷金1ヶ月だけで大丈夫ですよ。」との事。家賃18万だったので6万円にしてくれるとの事、僕は直ぐに申し込んだ。

 次は仕入れだが、今のように石屋は殆どなく、PCも普及していないので、どうしょう?と思いながら、友人がやっていた飲み屋に行った時、何とすぐ近くに石屋があり、その石屋の奥のカウンターに大きな張り紙で「石屋さん始めたい方。ご相談下さい。」と書いてある。直ぐにスタッフの方に話してみると、オーナーさんは九州の方で暫く来ないとの事、僕は聞いた「九州のどちらですか?」「阿蘇です。」ビックリした、「僕も阿蘇です。」と伝えるとスタッフさんもビックリ。そして数日後何とオーナーさんが来てくれた。そしてオーナーさんは「どうして石屋を始めたいんですか?」「メッセージを受け取ったんです。」「、、、なるほど、神の啓示を受けたのなら、何かあるのでしょうね、分かりました、お手伝いしましょう。」と。

 かくして、メッセージを受けて3週間後に中目黒商店街に「パワーストーンショッブナ・ムー」をオープンすることが出来た。
何とオーブンの日に僕が店舗に着くと、行列が出来ていて、先頭の人達に何で並んでるんですか?と聞くと、「あ、お店の人?なんのお店?何故か分からないけどオーブンするのを待ってたの。」と口々に言われ、僕が一番ビックリした。 そしてお店をオーブンすると、並んでた人達は「わー素敵、こんなお店初めて見た、友達に沢山紹介するから、頑張って。」と言ってくれ、その後本当に沢山の方を連れてきてくれた。

 お金が無いないので、「看板欲しいけど作る金もないなぁ。」と思っていたら、その日の夕方、20歳そこそこの青年かやって来て「僕デザインの勉強してるんですが、こちらのお店は看板がないので作らせて下さい。」と、「いや、お金が無いからダメだよ。」すると「いえ、勉強なので全て僕もちで作らせて下さい。」と、それから1週間後とても素敵な看板を作って持ってきてくれた。
(今でもその看板は大切に飾ってある。)

 オープンして順調なスタートなようだが、実は時代的にオウム事件のあとだったので、2日に一回は怒鳴り込まれることが相次いだ。こんな感じで「おい、何だこの店は、人を騙して嬉しいか、ふざけるな、インチキ商売しやがって、」など、そして月に1回は警察が来る、「なんの店ですか?どうしてこんな店をやってますか?」など、対応が大変だった。

 そんな折、店舗の石を磨いている時にメッセージが降りてきて「石は七色虹の色。」と同時にビジョンが見え、綺麗な7色のブレスレットを見せられた。
 その当時はパワーストーンブレスレットは存在しておらず、僕は「へぇ〜」と言ってしまった。

 それからが大変だった、当時はブレスレットを作る材料が無い、丸い穴の空いた石が無い、繋ぐゴムも無い、仕入れが分からない。
 電話帳で調べ、扱ってそうな所に軒並み電話をしてみたら、1件だけ扱っているところがあった。
 早速仕入れに向かった、店主は「何でこれが欲しいの?」「これでブレスレットを作りたいんです。」「駄目だよ、そんなんじゃ売れないし商売にならないよ、やめた方がいい。」「いえ、やってみたいので。」「それより色んなものを組み合わせてその中に石を入れた方が良いよ。」「いえ、石だけで作ります。」という感じで何とか仕入れることが出来、早速ビジョンで見たものと同じのを作ってみた。

 そして「これが売れるのかなぁ?」と思いながら店頭に出した1時間後、女性の方が来店しそのブレスを迷うことなく手に取り、「これください。」と、購入して貰った、僕は何でこれが良かったんですか?と聞くと「何か素敵なので。」と。

 そして次の日その方が友達を連れてきてくれ、「これと同じのを下さい。」と、それからは奇跡のように、口コミでこのブレスがどんどん広まり、雑誌の取材を受け、モデル、俳優、スボーツ選手、警察官、などなど実に沢山の方々につけて頂き、皆さんから「このブレスレットをつけてから体調が良くなった、いい事が起こった、幸せになった。」などの声を沢山頂き、28年間変わることなく、現在に至っている。


ナ・ムー 成瀬惠剛

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